お見合い結婚と恋愛結婚の比較、結婚生活の維持のコツ

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

お見合い結婚、と聞くと皆さんはどんな印象を抱きますか?
自由に相手を選べない、前時代的、かたっ苦しい、などのマイナスイメージでしょうか。
それとも、セレブっぽい、日本らしい、などプラスイメージでしょうか。
私はやや賛成派です。
では、お見合い結婚が現代日本の中でどのような存在なのか、考察してみましょう。

結論から先に言うと、今の日本にはお見合い結婚こそが合っています

その理由をこれから述べていきます。


1)離婚割合と理由について

集計法が様々で一概には言えませんが、現在の日本は30%~40%夫婦が離婚を選択しています。

そのほとんどは恋愛結婚であり、お見合い結婚よりも離婚確率が4倍以上です。

というか一般的に周りでお見合い結婚をする方は非常に少ないため、若年層の離婚はほぼ恋愛結婚からの離婚と考えられます。

その離婚原因は司法統計を参考にすると、男女共に性格の不一致を筆頭に挙げています。

「自分で見極めた運命の人と結婚したい」という夢とロマンは大いに結構ですが、現代の日本人の思考や道徳、外的環境がそんな淡い幻想を打ち壊し続けているということを認識してください。


2)相手を選択できる自由度はある

お見合い結婚では親が決めた相手と強引に結婚させられる、という誤った情報がまかり通っていますが、あなたが資産家の令嬢やご子息でない限りそんな政略結婚はありません。

通常は写真をみたり、顔合わせをしてから断ることが可能です。

また、あらかじめある程度の情報を知っている仲人がマッチングしてくれるので、理想と現実の大きな齟齬は少ないです。

婚活お見合いサイトなどでも、交際期間を重ねた末に結婚の意思確認があるので、会ったことない相手と結婚して、、、なんてアニメみたいな展開は現在ではありえません。

加えるならば、遊び目的の男性や金銭感覚が狂った女性などを紹介しては、仲人の沽券に関わるために紹介されません。


3)結婚は一族と一族の付き合いである

核家族(夫婦とその子供のみの家族)が増えたり、と言えども全く舅や姑と関わらずに過ごしている妻は稀です。

日本は伝統的に「嫁が夫の一族に入る」という観点が強いため、親戚付き合いは非常に重要です。

そんな中で、とんでもないモンスターと出会ってしまうこともあり、逆に恐ろしい嫁が家に来た、と嘆くパターンもあります(近年の皇族のご婚約も親戚の関係で破談になる模様です)。

恋愛結婚でそのハードルを解消するには、相当念入りに事前から相手の親の懐に入っておくか、学生以来の「嫁」と扱われる前から懐に飛び込むか、というのは定石であり、婚約の挨拶でいきなり嫁と一族の対面を迎えざるを得ないケースは苦労します。

その点、お見合い結婚は初めから一族同士での対面があり、一族の意見として相手を選択しますので、とんでもないモンスターを事前に察知することができます。

また、大人になったと思っていても、やはり人生経験豊富な親世代と、恋で盲目になっている若者とでは、冷静な選択を行える親世代がいた方が、やかましいかもしれませんが間違いがありません。


4)お見合い結婚はギャップが少ない

「(恋愛)結婚は妥協とタイミング」なんて言葉もあるくらい、ある意味ギャンブル的な要素を含む結婚相手の選択。

ダントツの離婚理由は(3)で述べたように性格の不一致ですが、ちょっと待って。

お互いに歩み寄ろうという努力はしたのでしょうか?

恋人に結婚後の理想像を描いていたり、期待を多大にするからこそギャップによってマイナスの感情が芽生えてしまいます

その点、お見合い結婚は相手をこれから知っていくので、お互いがイチから作り上げていくことができます

こんなはずじゃなかった!ということが無いとは言えませんが、少なくとも多大な期待を抱くことなくスタートをきれるという点と、知らない相手だからこそ自分も柔軟に接しようと思える点は無視できない利点です。


5)未婚のままだと一族がほうっておかない

20歳くらいから「私は結婚しません」と断言して、今も未婚でいる方はまずいません。

アラフォー・アラフィフで未婚の方々とお話しすると「良い相手と巡り合う機会がなかった」という理由が全てと言っても過言ではありません。

現代の日本の若者が男女交際に非常に消極的なのは言わずもがな、結婚適齢期を迎えても収入や趣味を理由に(結婚という点に関して)無為に日々を過ごす方が非常に多くいます。

お見合い結婚が盛んであれば、まず仲人が良い方をほうっておきません。

特に、近頃巷に溢れている自分だけが良ければいいと考える馬鹿者は紹介してもらえないので、未婚の方は自分磨きを怠らなくなります


6)結婚しないことの自由について

LGBTや生涯独身の件について、許容しないことが悪とする風潮が日本を含めた先進諸国では広がっています。

そうした相手を嫌悪することはありません。

ただ、子供が一生結婚しないことを選択して喜ぶ親は一人もいませんでした。

それでもいいんじゃない、という妥協はあっても歓迎することはまずありません。

生きている上で、一番お世話になっている親に対しての最大の恩返しのひとつは孫に会わせてあげることではないでしょうか。

親子関係が良好でない方もいるかもしれません、それでもあなたが生を受けたのは親がいるからです。

ただただ、相手と出会うことが難しいだけならば、みっともなくたって八方手を尽くしてみてはいかがでしょうか。


7)結婚生活の長続きの秘訣

前にも似たようなことを書きましたが、結論は思いやりがあるかどうかです。

相手が求めていることを事前に察して自発的に行うこと、それに尽きます。

夫であれば、帰ってきて子育てに疲れた妻が寝ていたら残っている家事をやっておいてあげましょう。家が片付く嬉しさに加えて、翌朝、喜ぶ妻の顔を見れる素敵な特典がついてきます。

妻であれば、夫が帰ってきた時にすぐに食べられるように温かい手料理を出してあげましょう。美味しく食べる夫の顔が見れる上に、胃袋もゲットできます。

もう少し、真面目に書くと、夫婦喧嘩は往々にして、話し合いの少なさから発生します。

相手の意見と食い違うのは他人なんだから当たり前であり、その摺り合わせを行うことでお互いに納得できる点を見つけていくのが夫婦であり、人間です。

そうした話し合いを拒むのは男性側が圧倒的に多く、疲れて帰ってきたのに妻の話に付き合うのは辛い、という意見を耳にします。

例えそれが愚痴であっても、妻の行動範囲で一番話をしたい相手が夫であるあなたであること幸福と思いましょう。

また、妻も自分の話したいことばかり話すのではなく、目的のある流れ、帰着点を意識することです。

話し終わって、結局何が言いたいの?という流れが男性の最も苦手とする会話です。

脱線してきたので、話を戻しますが、相手が求めていることを察することができるかどうかは日頃からの相手とのコミュニケーション次第です。


8)まとめ

結婚が全ての幸せではない、という考え方を否定はしません。

ただ、その考えの方に問いかけます、自分が何のために生きているのか、ということを真剣に考えたことがありますか?

大金持ちになって美女に囲まれるのも良いでしょう、世界中を旅するのも良いでしょう、誰よりも有名になるのもワクワクするかもしれませんね。

その思いを、70歳になっても、100歳になっても抱き続けられば、良いと思います。

私が出した答えは、後世に自分の知識を伝えるために自分は生きている、です。

その相手が実子や直系の子孫であれば最良ですが、町の子供でも構いませんし、赤の他人でも構いません。

そうした時に、やはり結婚して子供を為すことで、私の親からの知恵や経験を後世に伝えていくことほど素晴らしいことはありません。

また、本当に自分が年老いて、頼る人がいなくなったときに、利益度外視で手を差し伸べてくれるのは伴侶であり、子供たちではないかというのが、私の考えです。

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