日本教育を破壊したGHQの四大教育指令(加筆)

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

第一指令 「日本教育制度の管理」

GHQの占領政策に対し批判する者を教育界から徹底して排除する基本方針を示した

第二指令 「教職追放令」

公職追放の一環として、第一指令に従ってGHQの政策に反対する官僚や教職員を解雇するように指示を出した。つまりは日本の民主化に弊害となる思想を持った人間を追放した

第三指令 「神道指令」

国家神道に対する政府の保証や支援などを廃止し解体させ、日本の歴史や伝統の正統性を教育できないようにした

第四指令 「修身、国史、地理の停止」

修身(道徳)、国史(日本史)、地理の授業を停止させる指示を出した。鎖国体制から明治維新を経て、大きく躍進した日本が欧州諸国に植民地にされていたアジア諸国を解放するまで(大東亜共栄圏の形成まで)成長した発展の経緯と対欧米に対する敵性思想を戦後の日本人に知らせないため


GHQによる焚書坑儒

戦後の占領政策の中で、GHQは日本の書籍の流通から多くの書籍を排斥没収しました。対米開戦に至った経緯、アジア戦局の俯瞰、国民の鼓舞といった大日本帝国の軌跡を削り取ることに着手しました。それは一般国民の家庭からは没収せず、一般人には分らぬよう、水面下で着実に進められていきました(西尾幹二『GHQ焚書図書開封』より)。他国の文化、宗教、教育への干渉はたとえ占領国といえども許されざることですが、それを日本に対して行ったのです。
米英は日本人の愛国心と武士道精神を非常に恐れていたので、長期的視野をもって、日本が二度と自分たちに噛みつく牙を持てぬように試みたのです。
結果は皆さんがご存じの通りです。残念ながら、日本は国際会議ではリーダーシップを発揮できず、歴史問題では世界に強く出れず、欧米文化に憧ればかり抱くような国になってしまいました。
大和魂(やまとだましい)という言葉がありますが、昔日の日本人の手記を読んでいると、根幹で繋がっている価値観、苦難の中にあっても未来を見据える一体感が国民の中で共有されていたことが分かります。それを天皇崇拝にこじつける方もいますが、根底の価値観というものは民族のアイデンティティが成せるものです。アイデンティティとは連綿と続く歴史・背景・自分と連なる一族の軌跡から生まれます。その流れをせき止められてしまったのです。


現代日本の教育課程は国民の心を抜き取るもの

客観的に日本と他国を比べた時に、現在の日本教育はおかしいです。
道徳教育が薄い、皆が同じことを同じようにする詰め込み教育、愛国心が養われない、神道・仏教等の日本伝統を形成した宗教色を排しているのが特徴です。
マーヴィン・トケイヤー曰く「ユダヤ人は何度虐げられ敗れても民族の誇りを忘れなかったが、日本人はたった一度の敗戦で誇りを捨ててしまった」とは、ごもっともです。
 
そもそも日本の戦後教育に問題があるのは、第二次世界大戦の原因を作ったドイツ、イタリアと共に「悪の3大枢軸国」して扱われていること、そして戦時中に欧米諸国を非常に苦しめたために大日本帝国が再興しないように民族を骨抜きにする必要があったことが起因しています。戦争の責任が片務的であるはずはなく、ABCD包囲網で日本をあぶり出した経緯は扱いが軽く、勝者の視点の教育が押し付けられているのが現状です。

要は、戦勝国側からすると、二度と日本が他国を脅かす武力を持てないように日本国民をバカにする必要があったわけです。

よって、GHQによって、日本の教育方針は徹底的に改悪されてしまったのです。
小柄な日本人が世界と渡り合えたのは、①規律を持った集団行動が取れたこと ②武士道で培った精神力が優れていたこと ③個人の教養が高かったこと(識字率など)が挙げられます。 
今の日本人にこの3つがどれほど残されているでしょうか。
①集団行動を取ることが周りの空気を乱さないことにばかり重点が置かれて、特別な一人が育ちにくい教育になっています。また、一定のレベルに達しないものを落伍者として扱い、一度失敗したものを傷物としてみなすのが日本の特徴です。
②一番失われたものがこの自分を律する精神力です。人への思いやり、弱者への労り、また己の振舞いを律する心、今の大人がどれほどこれらを持ち合わせているでしょうか。正しいことを正しいと言えない空気を作っているのは誰でしょうか。
③これだけが今日本に残されています。OECD内でも理数系の数値はピカイチですが、理系の仕事への夢を抱く若者が少ないのはもったいないことですね。


神道とはカルトなのか

また、戦前から続く教派神道の金光教にお邪魔して教義のいろはを尋ねたところ、日本人がが小さい時から教わる人への気遣いの根本でした。天皇陛下を現人神と崇めた国家神道とは全くの別物であり、同じ神道として処罰すべきではありません。

こっそり人を助けるように:悪口を言う者から離れ、陰から人を助けよ

人によいほうをあげよ:よい物は人に融通してあげれば人が喜ぶ

女性は神さまに近い:母親が子供の真心をつくるのである

ほかの宗教をけなしてはならない:釈迦もキリストもみな神の子供である

寄付の勧誘は神が喜ばれない:寄付を勧誘して信者をいためては、神は喜ばれない

食べ物を粗末にするな:食べ物を粗末にする者に健康で出世する者はない


子どもは大人の背中を見ている 

「背中で語る」とはかつての男の憧れの姿として使われた言葉です。しかし、現代で、背中で語れる大人、子供の手本となるかっこいい大人が世の中にどれほどいるでしょう。

電車の中では周りを気にせずスマホでSNS・お笑い・アニメに没頭し、席取りに明け暮れ、不倫に走り、道端で非行に走る若者を正すこともできない。政治家は潔さを忘れ保身に走り、警察は身内を庇い、妻は夫をたてることを忘れています。

子ども、女性、お年寄には優しくするというのが不文律だったのに、現代社会では「自己責任」が曲解され彼らが守られる存在ではなくなりつつあります。「子どもを作った人が悪いのだから妊婦を優先するのはおかしい」という意見も飛び出す始末です。

昔の人間が全て律することができたわけではありませんが、今の日本人の道徳教育は見られたものではないでしょう。
今の学生に「かっこいい大人やなりたい大人は?」と聞けば、ユーチューバーやインフルエンサーの名が挙がります。職業に貴賤はありません。問題なのは、積み重ねの苦労や蓄積された知恵で人に貢献することよりも、他人からの評価に左右される流行りモノや周りにもてはやされたいという思いに、日本人が心を動かしやすくなっている現実です。

このままの日本で良いと皆さんは思いますか?
 

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