多様性の長所と短所

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

多様性がベストなのか

20代後半、外国人と触れ合う機会が格段と増したことで私の視野は開かれました。今まで日本国内に拘っていたことを恥じ、「開かれた社会=良い社会」と信じて、活動するようになりました。それは多角的な視点を得る、という点に関しては間違いではなかったと思いますし、個人の活動としてはやはり色々な価値観に触れるべきだと今でも信じています。しかし、社会構造の視点で見たときに、「多くの視点や意見を受け容れることが正しい」というのは、今の日本を見ていて疑問を感じるようになりました。


民主主義を信奉する社会

大多数の意見に従うことが最大多数の最大幸福をもたらすというのが、現代日本の常識です。その考えに至った一番の転機は敗戦GHQの占領政策です。その結果、日本人が享受したのは選択の自由です。結婚、職業、住まい、娯楽、報道といったあらゆる面で、国民が自分の意志で物事を決められる「自由」を得ました。結果、今の日本には日本らしさが消えてゆき、世界中の国の中でも自国の歴史と伝統に敬意を払わない稀有な国民を輩出し続ける姿になっていきました。


明確な意志で潰される日本

グローバリゼーション、SDGs。どちらも開かれた社会、未来の発展のためには必須である、と多くの人に訴えやすい標語として世を席巻しています。そこには明確に世界の欧米化の促進の意図があることにお気づきでしょうか。もっとはっきり言えば、米が世界を操作しやすいように世界を作り変える手法のひとつにこれらの標語は利用されています。

1)グローバリゼーション:世界の情報・人間・経済といった多くの資源の流動性を高める狙いで、情報の公開や物理的開国を世界に求めました。TPPの関税撤廃など分かりやすい例です。これは決して平等には進まず(経済規模の差異は、そのまま交渉力の強弱に直結します)、強国が己の波及力を高め易くするための施策です。また、紙媒体中心のアナログな国を遠方から支配する手間暇をなくすためのデジタル化は、内政干渉を続ける強国にとっては必須課題です。

2)SDGs:60年前から話題になっている環境問題に、なぜ今さら大々的なキャンペーンを行ったのか。答えは明確です。石炭中心経済の中国の台頭と、世界のトヨタを擁する日本を潰すためです。以前の記事でも述べましたが、欧米諸国は勝てないと分かるとルールを変えるのは常套手段であり、柔道が世界のJUDOになったことはその顕著な事例です。国際社会ではそのしたたかな策謀が渦巻いているのに対して、日本は欧米が取り決めたルールに従うばかりで、リーダーシップを発揮できずに金銭ばかり搾取されています。


伝統と格式のない国に壊されていく伝統ある世界の国々

そうした世界の強国、欧米化を食い止めて、自国の伝統やアイデンティティを保持している国はどこでしょうか?答えは簡単です。日本のメディアで野蛮と報道される中露・イスラム圏です。なぜ、メディアが執拗に彼らを悪者に仕立てあげるのでしょうか?その答えも簡単です、自由主義経済からの脱落者を出させないためです。国連を盾にして進める世界の欧米化のきな臭さを、危険視する彼らの指導者はとても有能です。なぜならば、一度欧米化してから離脱できた国はおらず、半永久的に一握りの国々に搾取される未来を理解しているからです。世界の国々にはそれぞれの歴史で培われた文明や慣習が数多く残っています。しかし、それが一部の経済的強者に迎合させられ、世界中に同じような都市ばかりが作られていく姿は、非常に悲しいものです。


真の独立を果たせていない日本

日本のテレビは中国韓国の地道な浸食活動により、もはやどこの国の報道局か分からない状態になっています。公共放送の役割は潰え、プロパガンダに利用されてばかりです。日本国民はバカではないので、そうした地上波のテレビから段々と距離を置くようになってきました。こうした彼らに本当に必要な情報を伝えられる媒体が現れることを切に願うばかりです。

また、軍事的独立を全く果たせていない現状も危険です。日米安保条約や地位協定の異常な状況(日本が他の同盟国と比較して金銭的・法的負担が著しく大きい)ことをどれほどの日本人、特に政治家が理解しているでしょうか。G20の中で、日本だけが貧しくなっていることの異常に声をあげるべきなのです。日本は日本のための政策を行えない状態になっていることを忘れてはなりません。


蛇足ですが、かつての神道国家日本・イスラム国家・独裁色強い中露、宗教や統制国家以外はグローバル社会の洗脳を防げていないのが興味深いですね。


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