非常に大変なユダヤ教改宗の方法

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

最終更新:2019/06/30

ユダヤ教徒の母親から生まれていなかったり、ユダヤ教徒の配偶者を持たない人は、ユダヤ教への改宗に困難な試練が待ち受けています。


ユダヤ教徒は「律法の民」と呼ばれるほど旧約聖書の律法(トーラー)に基づく生活を過ごしています。
実際には、旧約聖書に記載されていない部分を研究により深めて、カバラーやタルムードなどを通して、自身を戒めています。
その戒律をどこまで徹底して順守しているかは人によって(宗派によって)本当に温度差があります。
旧約聖書に敬虔な順に、超正統派・正統派・保守派・改革派と分類されます。
その他にも再建派やハシディズムと呼ばれる派も存在します。
まずはその中から自分が改宗したい宗派を選択することとなります(日本に存在するのは正統派と保守派)


1、師事するラバイと面談する

まずは改宗に関する具体的な内容を相談します。
インターネットで何でも検索できますが、大切なお話は直接相談するのが大切です。


2、ユダヤ教について学ぶ


3、割礼を施す

トーラーに規定がある故に、ユダヤ教徒は100%割礼を施します。
日本人は割礼の習慣がないため、ほとんどの方が外科手術を行うこととなります。
ペニスの包皮を切除することになりますが、その施術方法もしきたりが存在します。
男性の方は覚悟しましょう。


4、ラビニックコートを受ける

原則3人のラバイから面談形式の質問を受けます。
その難易度は司法試験レベルと言われ、人格・思考・知識のあらゆる分野を審査されます。


5、ミクベを行う

全身が水に浸かれる深さのある海や川、もしくは特別なプールで儀式を行います。
宗派によって形式が異なるとのことです。


端的に述べると上記の流れです。

割礼の痛みに耐え、ヘブライ語という不慣れな言語を学び、実践が難しいユダヤ教の慣習を学ぶ。まさにマゾとしか呼べない(失礼)過程を踏む必要があるわけです。

それでも乗り越えて改宗する意志があるのかという踏絵かもしれません。
 

日本ユダヤ教団の方とお話すると、皆さんとても親切に迎えてくれます。
日本人、外国人問わずウェルカムな態度で、日本人自体が珍しいのかもしれません。
イベントの時には多くの教徒の方とお話でき、私の英会話レベルに合わせてお話してくれて、とても楽しい時間が過ごせました。
信徒の方に改宗の勉強をしていると話すと、皆一様に喜んでくれて、「なぜユダヤ教に興味を持ったの?」と笑顔で尋ねてきます。


私はユダヤ教は素晴らしい宗教だと思っています。
神道も、仏教も、イスラム教も、キリスト教もそれぞれによいところがあります。



日本人の中でも、ユダヤ教に興味がある方は多々いらっしゃると思います。
是非、一度、お近くのユダヤコミュニティに足を運んでみてください。
百聞は一見にしかず、です。

(C)Nils Juenemann


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