かかとをつけてしゃがめない子ども~姿勢が崩れていく現代~

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

基本的な動作ができない子どもは増加傾向にあり、2016年度から学校の健康診断に「しゃがみ込むことができない」「両腕とも痛みなく、完全に上まで上げられない」「身体を前屈、後屈できない」などのチェック項目が追加された。まるで高齢者の健康診断だ。

「昔と遊び方や生活様式が変わり、日常の中で身体を使う機会がめっきり減ったことが大きな要因です。でも、やり慣れておらず、上手に身体や筋肉を使えてないだけなので、すぐにできるようになります」(原文)


文中では運動不足に焦点を当てた原因究明がなされています。骨折など、骨の強さや関節の柔軟性については確かにその通りですが、「姿勢」という点に着目して、あえて付け加えます。それは、骨盤を立てた体幹の弱体化です。戦前の女性は米俵を五俵担いでたと言われています。米俵は一俵が60kgなので、全部で300kgもの重さを一人の女性が担いでいたのです。

これは筋肉に依存する現代の担ぎ方では不可能です。骨で荷重を支える方法だからこそできるスゴ技です。現代の西洋化した学校体育は筋肉に頼る西洋の動きを教えているため、日本の古来の体の使い方(いわゆる古武道で学ぶナンバ歩きなど)は教えられません。体格に劣るアジア系民族では、身体能力で欧米人に勝つことが難しくなってしまうのです。


脱線しましたが、現代の子どもたちの姿勢を治す方法をいくつかご紹介。

①正座をする機会を作る
②ソファで腰を曲げる座り方をしない(食卓でも同様)

この二点だけまずは始めてみてください。要は骨盤を立てる癖をつけることです。これは大人になってから行っても効果があります。骨盤周り、腰は全ての生活に直結する、上半身と下半身を結ぶ大切な体の部位です。お腹がでたみっともない立ち方をしないためにも、日々の習慣にぜひ取り入れていきましょう。

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