イスラム教徒=野蛮なテロリスト?

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

日本は欧米(特に米)側に立っているので、情報は全てそちら側のフィルターを通して入ってきます。さらに日本政府、メディアのフィルターを通して、国民の元に情報が届けられます。世の中の真実なんて、本当のところ、海外に出ないと分からないし、「真実」という言葉だって、主観によって大いに歪められてしまうのではないでしょうか。

イスラム教人口(ムスリム)が世界人口の4分の1に達する様になりました。それを聞くと、日本人の感覚として「怖い」「日本でもテロが起きるのか」という印象を持たれる方が多いのではないでしょうか。ニュースでもイスラム教=テロリストのいる宗教、という報道の形を取りますので、至極当然でしょう。

ところで、イスラム教徒側からキリスト教圏に戦争を仕掛けたことって聞いたことありますか?中東情勢が不安定だからと軍事介入するのはいつも欧米諸国(キリスト教圏)の人々です。イスラム教徒を駆逐とまでは言わないまでも、正義を押し付けようとするのはキリスト教側です。十字軍がいい例ですね。エルサレム奪還を大義名分にイスラム教徒、ユダヤ教徒に対して殺人、強姦、強奪の限りを尽くしました。今でもイスラム諸国に根深い恨みを残す史実です。9.11の同時多発テロの原因も、元々はアメリカの内政干渉軍事介入が招いた種です。

また、世界大戦もキリスト教徒同士の戦いに過ぎません。欧州諸国にアメリカとアジア圏が加わって起きた戦争ですが、なぜかキリスト教徒を暴漢・テロリストと呼ぶことはありません。大航海時代に遡れば、アメリカ大陸と東南アジアの原住民文化や伝統を駆逐したのも全てキリスト教徒です。

アンチキリスト教を謳いたいのではありません。それだけ日本に入ってくる世界の情報というのはキリスト教側の立場から語られたものであることを留意するべきなのです。

イスラム教原理主義と呼ばれる、原理回帰主義の方々がなぜそういった行動に走ったのかを考えようとする報道はほとんど行われていません。


私は様々な宗教の知人と語らうことがあります。皆素晴らしい方々です。宗教に入っているというだけで、日本人は過敏に反応しますが、メディアなどに踊らされる先入観なしで、自分の目で情報を仕入れてみてください。テレビ漬けの世界というものがいかに恐ろしいか、よく分かります。

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