宗教に関する書籍

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

<ユダヤ教>

『ユダヤ五〇〇〇年の知恵』ラビ・M・トケイヤー著

内容:

広尾にある東京シナゴーグの初代ラビである著者が「タルムード」の中で現代社会に通ずるものをまとめた啓蒙書。日本人向けに読み易くしたと思われ、ためになるビジネス書でもある。宗教色が強いものではないので、ユダヤ教に興味がない方でも楽しめると思います。


『現代人のためのユダヤ教入門』デニス プレガー, ジョーゼフ テルシュキン著

内容:

一神教内でのユダヤ教の立ち位置、実生活でユダヤ教が心掛けるべきことなど、ユダヤ教から離れつつあるユダヤ人の若年層や、ユダヤ人ではないけれどユダヤ教を知りたいと思っている人への訴えかけを念頭に書かれた導入書。個人的には「安息日」に何をするのかという点が、体系的に捉える事ができたので、良書と思っています。


『やさしいユダヤ教Q&A』ミルトス編集部著

内容:

生活の細部にわたって、質問・回答の形式でユダヤ教を紐解いていく形式。一番最初にこの本を読むと、ミクロの視点に捉われ過ぎて少し分かりにくいかもしれません。何より事細かに祝祭日や祭具の説明を行ってくれるので、全体像を知らない人には難しく感じるでしょう。私もビギナーの部類ですが、何冊かユダヤ教について読んでいたので、モヤモヤしていたところが晴れていく様な爽快な読み心地を得ることが出来ました。もっと深くユダヤ教と関わるようになったら、手元に置いておきたい一冊です。
 
『ユダヤ教を語る』ハーマン・ウォーク著

内容:

専門的というか婉曲な言い回しが多く、外国の著者が書いたということがよく分かる文章構成です。

現在の知識では読解が困難で、かなりすっ飛ばして読む形となりました。

深い考察と知識に裏打ちされた独特の表現を用いる文章は魅力的でした。

数年後にまた読み直したいです。


『ユダヤ教 ~シリーズ21世紀をひらく世界の宗教~』ダン・コーク=シャーボク著

内容:

改革派の方が書いたということで少し文章の毛色が異なっていました。

実践的なことよりも歴史、特に近代史に焦点を当てた内容になっており、ホロコースト前後の欧州でのユダヤ人の暮らしや、聞いたこともなかった虐殺のお話などを知ることが出来ました。

「なぜ改宗者になりたいのか。ユダヤ人は略奪され、追放され、迫害され、嫌がらせを受ける上に、多くの苦難をこうむるということを知らないのか」という賢者の言葉には、改宗希望者に対する思いやりが感じられます。


ユダヤ教の基本』ミルトン・スタインバーグ著
内容:
ユダヤ教の全体像を掴みやすい良書。歴史の話も昔のラビや、第二神殿時代などに拘泥することなく、現代の、また現状のユダヤ教に繋がるように分かりやすく書かれていました。ただ、『ユダヤ教を語る』も同様ですが、一つの単語に対する修飾語が異様に長い箇所が多く、もう少し簡潔に書いてほしいなという所が散見されました。
詳細部分は別書で補うとして、俯瞰してユダヤ教を知るうえで、読んで損はないでしょう。ユダヤ教についてもっと詳しくなってから『ユダヤ教を語る』と併せて、読み直したい書籍です。


<キリスト教>

十字軍全史』新人物往来社


新生バチカン 教皇フランシスコの挑戦』ナショナル・ジオグラフィック

内容:
ローマ・カトリック教会の改革を為そうとする現教皇フランシスコの軌跡を辿る良書。
腐敗と汚職にまみれた教会組織を変えようと努力する彼の姿は、カトリック信徒でなくとも好感を抱くことでしょう。
豊富な写真による、教会建築や街の人々の表情には、ローマ・カトリック教皇という存在の大きさを知るうえで、とても分かりやすい資料でした。


<その他>

『ビジュアルではじめてわかる宗教』フィリップ・ウィルキンソン著

内容:

世界の宗教史を多くの写真や図を用いて分かりやすく解説した書籍。ひとつひとつを深く掘り下げるにはやや物足りませんが、横の広さは今まで読んだ本の中でも随一。また、一つの宗教の各宗派まで解説されているので、最初に読むにはもってこいの素晴らしい本です。人に一番勧め易いです。但し、意外と文字数が多いので、本に慣れていない人は面喰うかもしれません。でもオススメ。


日本人の知らないユダヤ人』石角莞爾著
内容:
ユダヤ教を改宗する立場から著した本で、まさに求めていた本でした。シナゴーグの方の塩対応、ラバイ(ラビ)との問答の数々、ユダヤ教の紹介、割礼の激痛等々。上記のユダヤ教の慣例や歴史を紹介する書籍とは違った観点からユダヤ教の一面をみることができるので、日本人でユダヤ教に興味がある方、ユダヤ教への改宗方法を知りたい方に一読を勧めたいものです。婚約者や親がユダヤ教徒でない方が、ユダヤ教に改宗するケースは非常に稀で、日本人となると前例が少ないそうです。その理由もこの本を読めば明らかになることでしょう。苦労話も楽しい話も、著者が日本人なので理解し易い内容でした。


図説 ユダヤ教の歴史』市川裕著

0コメント

  • 1000 / 1000