食べ物が溢れる豊かな国 日本
日本のデパートやコンビニには常に食べ物が溢れています。保存しやすい缶詰、干物だけではありません。果物、野菜、肉魚といった生鮮食品も無いということが無い状態で、どこの店に行っても棚が埋まっています。人気のお店は夜の時間には品切れもあるのですが、人があまり来ないようなお店でもいつも棚には賞味期限が短い食材が並んでいます。
常に在庫を並べておく=売れなければ廃棄されるものが増える
この図式に例外はありません。店舗形態が増えれば増える程、廃棄食材は増えることになります。
食品業界がもたらした功罪
日本は戦後、農地改革を始めとして国民を飢えさせない政策に注力してきました。その結果、味の素をはじめとして、森永、山崎パンなど知らない人はいない大手企業が日本の食卓を守ってきたのです。「まるこ~めっみっそ♪」「三時のおやつは文明堂♪」など90年代には食品メーカーの耳に残るCMがお茶の間を賑やかにしていたのを覚えている方もいることでしょう。
大手の食品メーカーは大量生産、在庫確保で市場に食品を切らさない様にすることを責務とします。しかし、農作物の生産高は減少傾向にあり、輸入作物に頼ることになります。その分運送コストがかかり、食材の値段に影響します。値を上げないためには廉価に作れる食材、つまり、添加物を多く含む食材を使用することになります。また、運送時間に耐えるための保存料も使用することになります。地産地消から遠のくほどに、健康からも遠のくということです。
便利と引き換えになる健康
いつでもどこでも、困った時はコンビニへ。その維持のために多くの浪費が行われていることは意識したことがあるでしょうか。食品ロスは前述した通りですが、深夜の電気代、夜勤の人の健康と労務費、コンビニを当てにする人の生活習慣、コンビニがあることによって小さな利便性を得られますが多くのものが犠牲になっています。コンビニの無い地方都市は、街の灯りは消え、夜は寝る時間です。生物として陽が沈んだら寝る、その効能は記載するまでもないでしょう。
食料の粗悪化を防ぐために、コンビニ店舗数と外食店舗数の制限が求められます。食料廃棄量増加と、添加物含有食料の蔓延化は看過してはならない状況なのです。消費者の意識改革も肝要ですが、安くて便利の魔力から国民を守るためには、政治力による規制が必須です。10年後の自分の健康の心配をして、日々の食材を買える人はそもそもコンビニでご飯を買いませんし、それを考えられない人を救うのが政治の力なのです。
日本の食卓を守るために
「自由経済は国民の利益に適っている」ように見えて、事実、軌道修正のための政策を行わずしてまとまらないことは歴史を見ても明らかです。今の、コロナ自粛で外食産業が打撃を受けているのは、野方図な参入も一員であり、一定の価値の保全と、流通経済の健全化のためには、将来的な制限は必要です。
有機栽培がもてはやされ、無農薬を貴ぶのは良いのですが、その恩恵が農家に行き渡っているのでしょうか。日本の食卓を守るために、地元の食材を食べ、地元の農家の野菜を買い、家で調理をする大切さを、いま一度皆さんに思い起こしていただければ幸いです。
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