このままでは日本の「ものづくり」は長くは続かない

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

日本といえば「ものづくり大国」の代名詞。
伝統工芸品もさることながら、家電製品、車など多くの工業品を世界に輸出して名をはせています。

ところが、そのものづくりに影が差しているのは皆様ご存知でしょうか。
かつて日本のメディアが中国韓国製品を日本の劣化コピーと評していたのは記憶に新しいことですが、近年では逆に日本製品を上回る性能をもつ製品を生み出す力を彼らは持ち始めています。
半導体が韓国に抜かれて久しいですが、中国にはIT分野、特に電子決済や電気自動車など新技術分野で抜かれ始めています。
日本は既得権益を保持する団体が多く、経済の発展を大きく阻害しています。
自動車二種免許を持たない人がタクシー行為を行う白タク行為など、最新アプリを有する中国人は平然と日本国内で行っています。
また民泊も、外国人多くの区分所有権を獲得して、管理組合の法的拘束力のない決まり事など無視されて、ゴミ処理問題や騒音問題が絶えません。
日本人への観光客が増えても、その利益を日本人が享受できない事態が多々存在するということです。

話が少し脱線しましたが、日本製品が海外で信用度を大きく損なっているのが現代の時勢です。
確かに、日本製品は壊れにくく一定の信頼は保持されています。
しかし、より安く、過剰な能力を求めていない層は日本製品より廉価な海外製品を購入します。
また、国家レベルになると、新幹線・原発クラスの受注が芳しくありません。
日本人の義理人情気質はどうしても海外との取引では邪魔にしかなりませんし、どれほどの日本企業が技術漏洩の末に捨てられてきたことでしょうか。
つまり、もはや「日本製品」というだけでもてはやされる時代は終わったということを日本人は認識しなければなりません。
正直商売、地道に努力を続けていれば報われるという生産者根性ではこれからの新しい付加価値を創造しなければいけない先進諸国との経済闘争の中では生き残れません。
いかに工夫をして、人々に新しい世界を見せることができるかが鍵です。

物質的な製品から、仮想空間のサービスへとこれからの先進国経済はシフトしていくことでしょう。
今までの地位にあぐらをかかずに、娯楽に浸かった生活を見直すことが、これからの日本人に必要なことではないでしょうか。
また、日本経済を輝かせるために発想の転換をすべきときはまさに今ではないでしょうか。


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