人工知能が代替する未来のコミュニケーション

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

個人の生体情報収集への警鐘は以前紹介しましたが、このまま技術が進歩すると、ロボットは人の望みをその瞬間に叶えることが可能になるでしょう。
Amazonの目指すところがクリックした瞬間に商品が届くことというのは公のことです。
例えるなら、「蓄積データによるとmuroi氏はShabbatから帰った金曜の夜は20:00に赤ワインを飲む、ならば10:00に発送しておいて、19:50のクリック注文から5分後の19:55に届くようにしよう」と、Amazon側が手配するわけです。
まさに映画『ボーン•アイデンティティ』の犯罪予知のシステムです。
これを便利か恐ろしいかというのは今回の主旨と異なるので端折ります。

興味深いのは、人間が及ばないサービスをビッグデータと個人情報を用いたコンピューターだけがなし得ることです。


個人の潜在的な欲望を先読みしてサービスが行えるということは、普段の日常生活で人に理解されないジレンマなどを、ロボットならば解消できてしまうということです。

現在ですら、自室に閉じこもりがちで人との会話が減っている若者を危惧する状況ですが、そういった人々が己の能力を磨くことなくロボットが己に合わせてくれる時代がくるのです。

ここから容易に想像できるのは、自己練磨を望まない人は周りにロボットさえいてくれれば良い、ロボットだけが自分を理解してくれるという思考に陥ることです。

ロボットの表情や表面材質、外見は日進月歩で人間に近づいています。

これはロボットなのか人間なのかよく分からないけれどロボットかもしれないっていう面白い動画です。

次の動画は間違いなくロボットです。

ロボットによる疑似家族、疑似恋人、疑似友人で囲まれた世界。

自分が傷つくことを行わず、自分の思うがままに動いてくれるロボット達。

漫画のような、悲しい世界が現実のものとして実現するのもそう遠くありません。


技術の進歩は止められるものではありません。

ただ、人間が何を目指しているのか、また、技術の進歩で得たものよりも失っているものが大きいのではないか。

何か釈然としない疑問を抱かずにはいられません。

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