グローバル化が食い荒らす素晴らしい伝統の数々

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

振り回される途上国

各国の歴史や文化に関する書物を読んでいて思うことは、文化には優劣はなく違いがあるだけである、ということだ。ところが、残念なことに今の世界情勢は建前では平和を謳いながらも、事実は西洋化という名の国際化が止まらない。グローバリゼーションの名のもとに多くの途上国が、アメリカ化・欧州化させられている事実をみればそれは明白である。

ある人は、自然の淘汰であると述べ、またある人はそれは途上国側の選択の結果と語る。しかし、「国際基準」というキリスト教系に傾いた国際連合が語るベーシックラインにどれほど途上国やイスラム系の意見が含まれていることだろう。

なぜ今環境問題なのか

環境問題という50年前からの課題を、なぜ今更SDGsやグリーンディール政策で槍玉にあげるのか。それも欧米が自国の有利なチェスを打つためのルール変更を図っているからに他ならない。炭鉱が主要産業の国はどうすればよいのだろうか。伝統的に牛肉を多量消費する国は、自動車なくして生計の立たない地域は、どうやってその「国際基準」を満たせというのだろうか。トルコのEU加盟にしても、加盟交渉開始後に欧州側にはしごを外された始末である。彼らの政治のやり方は、開国・第二次世界大戦で日本は痛いほど痛感しているのである。


これからの日本

西洋化こそがかっこいい、近代化とは国際化、という妄執はそろそろやめにしてはいかがだろうか。欧米国家の唱える新自由主義と資本主義に染まった結果、今の日本の若者がどれほど苦しい状況で働いていることか。結果だけを求められて疲弊する彼らの自殺者数は無視できないものであり、コロナによってそれは加速しているのだ。

家族という単位の見直し、教育による共通価値観の創生、古来の日本伝統のコミュニケーションの復活など、本来の日本に合った文化に戻すためにできることは多い。

0コメント

  • 1000 / 1000