新社会人が苦しむ一番の原因と解決策

Kazuma Muroi

Shalom Homesの代表取締役。NPO法人横浜市まちづくりセンターの理事。執筆テーマは古武術・子育て・民俗学・宗教学。

人と比べることで自分を保つ人々

あの子は私より細くて可愛い

あいつは背も高くてかっこいい
俺の彼女はサークルで一番優しい
うちのパパはすごいお金持ち
彼はとても有名なユーチューバーで羨ましい
あの子のインスタのフォロワー数が30000もいてすごい

昨今、世間で取り上げられるすごい人というのは「相対的」なものの見方で語られることに溢れています。確かに、今の視覚社会で容姿に優れていていることは多大なメリットがあり、SNSでは写真加工で称賛の的になる方も多くいます。しかし、周りがいないと何もできないという考え方は虚しさと表裏一体です。


新社会人が苦しむ価値観の違い

新社会人が一番苦しむのは、高校や大学で培ってきた(チヤホヤされてきた)自分の自信が、ビジネス社会では全く役に立たないことです。ちょうど入社して一ヵ月ですが、早速離職者の様々な声がネット上で散見されます。かつては、丁稚奉公といって、子どもの身で商家に働きに出て、社会のいろはを学ぶ習慣が日本にはありました。職人でいう徒弟制度であり、住み込みで働くことも。要は、子どもから社会に出るまでのクッション機能として、日本の高校と大学が全く機能していないのが問題です。その期間に自分の武器を磨いてこなかった学徒たちも未熟と言わざるを得ません。(筆者にも苦い経験あり)


相対的から絶対的へ

人からの評価に左右されず、己の拠り所となる「絶対的」な価値観を心の中に持つことです。はっきり言って、現代日本でそれを学ぶことは非常に困難です。自分で見つけるしかありません。かつては宗教がその地位にいて、現代では幼少期から続けている一芸(武道、音楽など)を自分の軸にする人が多いです。私もそんな軸がないまま大人になってしまい、20代半ばで、旅と勉強をすることで自分の軸を見つけました。

悩める日本の新社会人たちに、自分の確たる信念を持ってもらいたい。一朝一夕で見つかるものではないのだけれど、ひとりひとりが20年前後生きてくる中で、一番幸せだった瞬間があります。そこから、本当にやりたいことや自分にあった価値観は見つけられるのです。


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